新年度はカリキュラムの改正があります。
こんにちは、エートスです。
来週の3月25日金曜日の14時に看護師国家試験の合格発表です。
その1週間後には新年度4月1日が来ます。
学校の教員としては、エイプリルフール、と笑ってもいられません。
新年度になったら、すぐに入学式が来ます。
カリキュラムの改正
2022年度は看護教育関係ではカリキュラムの改正があり、学校によっては(3年過程では)学生が3年間に学ぶべき授業内容・構成を見直して、新しいカリキュラムにしていることでしょう。
新入生からすると「カリキュラムの改正」って何?という話でしょうが、結論から言うと新入生にとっては特に大きな差は感じないでしょう。
勉強しなくてはいけない授業時間が多少増減していますが、看護学校で学ぶことが初めての学生にとっては、何がどのように違うのか分からないのが実情だと思います。
上級生とのシラバスを見比べると、はっきりと違うと認識できるでしょうが、科目数だけで、90以上あるのですから、1つ2つの違いに学生生活で感じられるか、といえば感じられずに学生生活は過ぎていくでしょう。
場合によっては、先輩から教えてもらったことが違う!という事が起こりうるくらいでしょう。
教員は授業の見直しがあります
しかし、看護教員の立場はそうはいっていられません。
カリキュラムの改正といっても、大幅な変更が求められたわけではありませんので、カリキュラムの変更がなかった学校もあります。
しかし、カリキュラムが変更になり、講義する内容が変わってしまった教員は、授業の見直しを迫られます。
私の勤めている学校では、カリキュラムの改定を行い、私が担当する科目のシラバス変更がありました。
授業が始まるまでに、授業の見直しをしなくてはいけないので、この春休み中に、授業の修正をほぼ片付けておきたいところです。
移行期の狭間
もう一つ、カリキュラムの改正で大変な思いをする(可能性がある)のは、在校生。
そのうち、1年次の単位を取り損ねた新2年生です。
学校によっては進級できずにもう一度一年生をすることになった学生が該当するでしょう。
カリキュラムが変わると、場合によっては再履修しなくてはいけない授業が変更になってしまっていることが考えられます。
とある授業、例えば「消化器と腎泌尿器」の解剖生理学を教えていた講義が、新しいカリキュラムでは「消化器」と「腎泌尿器」に分かれてしまったらどうでしょう?
「消化器と腎泌尿器」の解剖生理学の講義が2つに分かれてしまったら、その分かれた講義の両方を受けなくてはいけないのか?と疑問が起こります。
これに対して、看護学校側がどのような対応策を用意しているのか、該当する学生は学校の判断を待つことになります。
カリキュラムの改正時はこの対応が難しいです。
移行期の狭間に落ちてしまうと大変です。
同じ事が来年度2年生から3年生への進級時にも起こりうるので、新2年生は単位を落とさず、留年しないよう(他の学年以上に)注意してください。
それでは、看護師国家試験の合格を祈って!
春休みです。
こんにちは、エートスです。
3年生は卒業し、1年生と2年生はそれぞれの年次での授業をすべて終わり、各授業の単位を取るための試験も臨地実習もすべて終わって、晴れて春休みとなりました。
春休みに向けて
春休みに入る直前の学科全体の集会では、国家試験対策係としてこの1年間で学習したことを復習し、次年度に向けて準備を整えるように、とお決まりの話をしました。
2年生は、すでに看護師国家試験まで残り11か月です。春休みに入る時点ですでに残り1年間(12か月)ではない、と強調して伝えると2年生の表情・反応は様々です。
当たり前のこと言うなよとばかりに無反応の学生、せっかくの春休み前に嫌なこと言うなよとばかりのブーイングをする学生がいます。社会人経験がある学生は落ち着ていて軽くうなずいてくれます。
一方で、1年生は気楽なものです。早く集会が終わらないかなという事しか頭にない様子が、教員側として全員の顔が見える位置にいるとマスクをしていてもよくわかります。
1年生は次年度2年生になった時は、誕生日に関係なく全員が成人となります。次年度入ってくる1年生も全員が成人となります。教員として気を付けるのは「保護者」という文言が使えなくなることです。成人ですから完全に保護者は必要なくなります。
学校との契約上「保証人」を決めていますので、保証人と呼ぶのが正しくなります。1年生の保護者面談という言葉を保証人面談に変える必要があります。しばらくは混同して使うかもしれませんが、少しずつ専門学校で使用するには不適切な言葉となっていくのでしょう。
春休み期間は忙しい
学生から「先生って春休みは何してるんですか?学生いなくて暇ですよね?」と言われますが、まったくもってそんなことはありません。
学生がいないと、学生が教務室に来て呼ばれるという事がないので、自分の仕事に集中できます。何をしているかというと、次年度の計画(の修正)・準備、会議と会議の準備、授業準備、研修参加が主なところです。
次年度の計画・準備はまず「入学式」と「1年生の入学オリエンテーション」です。
1年生の担任となった教員は4月の頭から仕事のラッシュが待っています。
次いで、1年間の授業の準備ですね。これは各教員が担当する講義科目の準備という意味もありますが、外部に委託している講師に向けた準備もあります。
例年ですと、教科書やシラバスの発送などを行っています。しかし新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、ここ数年は通信機器関連の新規購入・導入やアップデートが多く発生しています。それを外部の講師に説明していかなくてはいけません。
講師は、通信機器関連・電子システムに強い講師とそうでない講師に分かれます。説明書や簡単な説明ですむ講師はいいのですが、そうでない講師にはこの春休み期間に来校していただいて説明・デモ授業などを行います。
臨地実習の準備に向けた会議
臨地実習の年間計画の準備もあります。次年度の計画はすでに立案されて学内の会議を通っていますが、実習を受け入れてくれる病院や施設との会議が行われます。夏休み以降にある臨地実習の計画は次年度が始まってからでもいいのですが、春先から始まる臨地実習の会議は3月中が多いですね。
病院組織にもいろいろありますが、教育部門が院内の看護師研修と看護学校の臨地実習を一括して担当している場合は、新人看護師の研修に手いっぱいで、4月は外部の学校との会議をしている暇が少ないのでしょう。
一昨年の春先の臨地実習の会議は大変でした。今はZoomなどを使ったオンラインでの会議も普通になりましたが、一昨年の時は使い方が分からない、とパソコンを目の前にして、結局電話で話して書類はFAXやメールで送るなど混乱していました。
学内の会議は、年度の切り替わりに伴う委員会や係ごとの申し送りが度々発生します。大手の大人数の学生を抱える学校でしたら、教員も多いので主担当となる委員会・係も少ないのでしょうが、当校は複数の主担当を兼任しなくてはいけないので、資料の準備に追われることになります。
研修・セミナーもいっぱい
研修は主に教員向けのセミナーで、大きくは「教員」としての成長を目的とするセミナー、自分の専門領域のセミナー、委員会・係向けのセミナーがあります。
特に国家試験対策セミナーは、この春休み期間に目白押しです。
業者側も営業が上手で、看護師国家試験の合格発表前に一度、今年度の看護師国家試験の振り返りセミナーを行っておきながら、合格発表後~4月の上旬にもう一度看護師国家試験の合格発表を受けて、「合格者と不合格者の差は何だったのか!?」みたいなセミナーを持ってきます。
さらに今年度は国家試験問題の出題基準が改訂されることになっているので(確定だと思います)、それに向けたセミナーも今後行われるでしょう。
これも、現在はオンラインで行われることが主流です。研修会場に出張するのは大変ですが、途中立ち寄っておいしい物を食べたりする楽しみがなくなってしまうのは寂しいですね。
それでは、看護師国家試験の合格を祈って!
乱読しながら、本をたくさん集めていました。
今週のお題「わたしのコレクション」
今週のお題を見て、何かコレクションしているものあるかな?と少し考えてみたものの、特に集めているものはないなぁ、というのが結論です。
強いていうならば本になりますね。
自分は乱読タイプなので、あるテーマに沿って集めているということはなく、書斎の本棚にある本は、雑多でカテゴリー分けすることも無駄に思えます。
仕事上「看護学」、「医学」に関わるカテゴリーは1番多いですが、それでも1〜2割程度、と少ないです。
物理学や化学、鉱物、天文、気象学といった自然科学系、和洋中の古代、中世、近代の文学や書物、歴史、哲学や宗教観などの人文学類や法学、経済学、心理学などもあります。
小説、ノンフィクションやドキュメンタリー、漫画もあります。
漫画は子供にせがまれて、鬼滅の刃が全巻揃っています。
これらの本の中で1番多く読んでいるのが、(仕事の本を除けば)アインシュタインの特殊相対性理論が書かれている本ですね。
1番読んでいる理由は、何度読んでも理解できないからです!
しかし現実の世界では、例えばGPS機能はこの特殊相対性理論に基づいて時間の歪みを調整していると言いますから、実際正しいのでしょう。 しかし何度読んでも時間のずれが分かりません。(苦笑)
お気に入りの本は宇宙天体の写真集です。誰が見ても綺麗だと思いますから、説明は不要ですね。
アンドロメダ銀河は地球のある銀河系に最も近い銀河ですが、いつかこの二つの銀河系は衝突することが確実らしいですね。40億年以上先のことで、私が生きているわけもなく、また太陽が膨張し地球はすでに滅んでいるでしょうから、どう考えても私には関係のないことなのですが、ちょっと恐ろしいですね。
本棚に余りのスペースがなくなってきているので、電子書籍やアプリケーションで読むことが増えてきています。
年をとってきていて、ディスプレイやiPadの画面を長く見続けるのは、目が疲れやすいので、長時間ぶっ通しで読むということが少なくなっています。
その代わり文字の大きさを変えられるのはメリットです。老眼が出始めているので、本当に便利です。
司書になるのもいいな、と考えたこともあるくらい本は好きですので、今後も増え続けていくでしょう。
卒業式は旅立ち
こんにちは、エートスです。
先日、3年生の卒業式でした。
2年ぶりの卒業式
看護学校は男女比が圧倒的に女子が多いので、どこの看護学校でも卒業式は色とりどりの袴姿が見られると思います。
ただ、学校によっては新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、卒業式を中止、もしくは簡略化して袴姿ではなくスーツで実施しているところもあるかもしれません。
今年度は私が勤めている看護学校は卒業式を行うことができました。
ホテルの大ホールを借りて行っています。そこに袴姿の女子学生が多くいますので、本当に華やいでいます。
この日ばかりは、男子学生は脇役になってしまいます。男子学生もたまに白い袴姿で頑張ってきますが、何と言われようと、春の盛りとばかりに華やぐ女子学生の姿には圧倒されてしまいます。
看護師国家試験の合格発表は今年は3月25日ですので、執筆している3月10日からまだ2週間あります。
看護師国家試験の合格ライン当落線上にある学生は本当は気が気ではないと思いますが、笑顔でいる姿は健気に感じます。
3年生の担任として参加する卒業式
3年生の担任、看護師国家試験対策係ばかりしている身としては、臨地実習がすべて終わる日、看護師国家試験の試験日、合格発表日と並んで卒業式は特別な日です。
当学校では、看護師国家試験が終わり、翌日の国家試験問題の採点会、大掃除が終わり、最後のホームルームを行うと、3年生は卒業式までは登校してきません。
以前は、2年生の臨地実習協力や、臨床に向けて基礎看護技術の練習など3年生を登校させる計画もありましたが、新型コロナウイルス感染症が感染拡大してからは、不要な登校はさせられないため、3年生は完全に学校から離れてしまいます。
以前にも書いたかもしれませんが、3年生の教室が、薄暗くしんと静まり返って佇んでいる様子は、寂しく胸にギュッと来るものがあります。
老年看護学では「空の巣症候群」というのでしょうが、3年生の担任は毎年この寂しさを味わいます。1年生や2年生の教室が長期休みで居なくなっても、大して感慨はないのですが、卒業した学生はこの教室・学校に戻ってこないのだと思うと、やはり違います。
そんな気持ちを抱いて過ごしていて、しばらくぶりの卒業生の姿ですので、格別です。
卒業生の今後
今年の卒業生は、全員就職を希望し、全員が内定をもらっています。
ただ、ほとんどの病院は看護師国家試験を合格できなければ、内定の取り消しがあるようです。准看護師として採用、もしくは看護補助者として臨時雇用等、もう一度契約を結びなおすことが多いようです。もしくは完全に雇用されないことも起こりうるので、全員が看護師国家試験を合格してもらいたいものです。
助産師学校、保健師学校への進学を考えている学生も年度によってはいるのですが、こちらの進学も看護師免許証が必須ですので、看護師国家試験が合格できないと入学取り消しとなります。厳しい世界です。
大学3年次への編入も可能ですが、当校から大学編入をした学生は今のところいませんね。
放送大学に入学して「看護学士」の称号を取る、もしくは心理学を学んで、臨床心理士・認定心理士の資格を目指すこともできます。
看護者の倫理綱領に
8 看護職は、常に、個人の責任として継続学習による能力の開発・維持・向上に努める。
とあります。
卒業生も、看護師として働く以上は、個人の知識・技術を高め続けて行って欲しいと思います。
それでは、看護師国家試験の合格を祈って!
解剖学ミニテスト 呼吸器④
こんにちは、エートスです。
呼吸器、下気道の問題です。
1問1分以内で解けると思います。 それではレッツトライ!
- 右の肺葉の数はいくつか
① 2
② 3
③ 4
④ 5
- 肺の上部で細くなっている部分を何というか
① 肺尖
② 肺
③ 肺底
④ 肺胞嚢
- 気管から分かれた気管支の説明で不適切なのはどれか。
① 右の気管支の方が左の気管支より太い。
② 左の気管支の方が右の気管支より傾斜が緩やか(水平に近い)である。
③ 左右の気管支はともに2本ずつに分かれる。
④ 左の気管支は右の気管支より長い。
- 肺は、肺葉からさらに小さく分けられると何と呼ばれるか
① 肺胞表面積
② 胸腔
③ 胸郭
④ 肺区域
- 肺胞の大きさで正しいのはどれか。
① 200cm
② 200mm
③ 200μm
④ 200nm
以下 解答です。
問1 2
問2 1
問3 3
問4 4
問5 3
それでは、解説です。
問1
「葉」というのは肺や肝臓でいうと、区分の一番大きいところです。
肺は[右肺は3つ]に分かれています。左肺は心臓がある分、胸腔内にスペースがないので、[左肺は2葉]どまりとなります。
右肺は上中下葉で、左肺は上下葉と中葉部分が心臓というイメージでいいと思います。
問2
[肺尖部]は鎖骨の上にちょこんと出ている部分を言います。
[肺底部]は横隔膜と接している部分を指します。
[肺胞嚢]はブドウで例えるとブドウの房です。肺胞はブドウの実になります。
「底」という文字は解剖生理学では良く見かけますが、上(頭)側にある側を底としていることもよくあります。
この「底」という字は手術をする医師の視点で考えるとわかりやすくなります。
胃底部は仰臥位で開腹手術する医師の視点でみると、胃底部が凹んでいます。
肺底や子宮底は内視鏡でアプローチすると一番奥にあるのが底です。
問3
右肺の方が左肺より肺葉の数が多いので当然太くなります。
そして、左肺には心臓がありますから、気管支の角度が上に押し上げられてしまいます。
右肺の気管支が短いというより左肺の気管支は心臓エリアを回避する分伸びている(ように見えます)。
縦隔やや左側に心臓があります。上記の図を見ても、左の気管支は心臓を避けていると思うと、納得できると思います。
気管支は左右1本ずつで、左の葉気管支は2本、右の葉気管支は3本に分かれます。
問4
問1の続きとして「葉」より小さい区分を「区域」といいます。これは肝臓も同じです。
[胸郭]は肋骨と胸骨、胸椎の骨の部分を言います。
この胸郭と横隔膜で包まれたエリアを[胸腔]といい、胸膜で覆われています。
肺胞は風船に例えられますが、肺胞表面積は風船の表面積に当たります。
問5
肺胞は200μmです。
そもそも①、②は冷静に考えれば除外できます。
④の[200nmはウイルスの大きさ]にあたります。
新しい出会いは嬉しい、別れは寂しい
今週のお題「引っ越し」
生まれてから現在まで、引っ越しは7回経験していることになります。
そのうち、最初の1回目は、生まれて3か月で引っ越しているので、自分には一切経験として残っていない引っ越しです。
親を恨んだ引っ越し
2回目の引っ越しが自分にとって一番つらい体験でした。
小学校2年生が終わって、3年生になる前の3月中の引っ越し。
それまでの生活は、(当時)新興住宅街で育ったこともあり、周囲には年齢の近い子供が多く、半径50m以内に同学年の幼馴染だけで10人もいるという、一緒に遊ぶ友達に事欠かない生活をしていました。
それが引っ越した先では、家は繁華街の近くで周囲に子供は少なく、小学校への登下校班で小学校の6学年合わせて5人、同学年は1人もいないという状況になりました。
5人のうち女子が3人、残りの男子は6年生で、家の近くに遊べそうな友達は一人もいない。
そんな状況にあって、元の場所に戻りたいという願望を強く持っていたため、引っ越した先の学校にはなかなか馴染めず、孤立してイジメにあうことになりました。
高校生になっても、「この引っ越しの事は恨んでいる」と親に言っていました。
一人暮らしの始まり
次の引っ越しは大学に通うことになっての一人暮らしです。
地元にいいイメージがなく、実家から出ていきたい願望もあり、実家からは到底通うことのできない大学に入りました。
大して広い部屋を借りたわけでもないのに実家から多くの物をもって行ったので、部屋は途端に狭くなってしまいましたが、それでも新生活を楽しみにしていました。
大学生活では「堕落した生活」を覚えてしまい、部屋の中はコタツから一歩も出ないで事が済むように配置され、動きません。自炊もほとんどせず、アルバイト先のまかない食や外食で済ませていたので、体重が一気に増加しました。
家庭をもちました
その後、東京都内で就職するためにまた引っ越し、突然看護学校に通うことを決め一度実家に出戻るためにまた引っ越し。その後、妻と結婚し同居するためにアパートに引っ越しました。
妻も働いていて、生まれた子供は6か月から保育所に預けていました。
子供が3歳の時に、一念発起して新築を建てました。
そして、現時点で最後の引っ越しとなりました。
親である私も妻も職場が変わるわけでもないので、気楽でしたが、子供にツラい思いをさせてしまいました。
3月の年度末に引っ越して、4月に新しい保育園に通わせることになりました。
4月に新しい保育園に連れて行ったときに、子供が「○○君に会いたい、○○ちゃんに会いたい、○○先生はいないの?」と泣きやみませんでした。
周 囲の人は「子供はすぐに慣れるから大丈夫」と言いますが、自分の中にある引っ越しによるつらい体験と重なり、私も子供と一緒に泣いてしまいました。
自分が体験して、子供には体験させたくないと思っていたことを結局実行してしまい、何という馬鹿者か、と思います。
また、小学生の時の引っ越しで、私が親に言い続けた「恨んでいる」の言葉は、親の心を傷つけていたのだろうな、と思います。
もうずっと昔のことで、親と話すことがあっても全く話題にもなりません。こうして引っ越しのテーマでもない限り、私も思い出すことはあまりありません。
家族を持ってからの引っ越しは…
自分一人の引っ越しは本当に気楽ですが、子供を持つと引っ越しは難しいです。
今では、子供はすっかり保育園の友達になじんで楽しく過ごしています。
それでも以前通わせていた保育園の近くを通ることがあると、子供が「○○君いるかなあ」と話すのを聞くと何とも言えない気持ちになります。本人的にはもう過去の事になっているのかもしれませんが…
新しい土地で始まる新生活や新しい出会いは嬉しいことも多いですが、別れは寂しいですね。
臨地実習の中で学ぶこと
こんにちは、エートスです。
学内実習、オンライン実習で学習困難な内容
私の勤めている看護学校は、2年生の実習の真っ只中です。
とは言っても、新型コロナウイルス感染症が流行する現在、臨地実習には行けていませんので、学校内及びオンラインでの実習となっています。
そのため、知識面は事例・ペーパーペイシェントでの学びを使い、技術面はロールプレイやシミュレーターを用いて学習を深めています。
現在の病院や高齢者施設等に行けない事をこのような形で補うようにしています。
しかし、こういった方法でも学習することが難しいのがコミュニケーション技術と精神科看護学領域です。
もちろん他にも細かい点がありますが、大きくはこの2点が臨地実習でないと難しいでしょう。
精神科看護学領域は3年生で臨地実習の計画があるので、目下のところ2年生に欠けているなと感じるのは臨床の場で患者とコミュニケーションとることが不足していると言えます。
単に話を聞いて患者の状態を把握するというコミュニケーションばかりがコミュニケーションではありません。コミュニケーションを通して学生は多くの学びが得られます。
- 学内実習、オンライン実習で学習困難な内容
- イライラしている患者、怒り出す患者とのコミュニケーション
- 精神的に不安定な状況ある対象への対応
- 精神的に負荷のかかるコミュニケーション
- 看護師・看護学生を育てるのは患者さん
イライラしている患者、怒り出す患者とのコミュニケーション
学内の演習で患者役の学生もしくは教員が、突然看護師役の学生を「何もしてほしくない、出て行って」と強い口調で言い出したら、問題となってしまうでしょう。
しかし、臨地実習において、学生が受け持っている患者から強い口調で注意される、大きな声で出て行けと言われるなどは起こりうることです。
特に障害を持っている対象と接する場合や終末期にある対象と接する場合、精神科領域の実習の場合は、学生はそれを想定していないといけません。
もちろん、教員や臨床指導者(実習病院で実習に来た学生を指導する看護師)は学生のメンタルフォローをしますが、一方で学生がいつまでも被害者意識を持っているようならば、それは注意の対象となります。
なぜなら、先ほどの3つの例は「精神的に不安定な状況」にあり、その結果大きな声を出す、イライラしていることが症状として挙げられるからです。
つまり、強い口調で言われたという行為に対して、看護師はケアを考え、提供していかなくてはいけないのです。患者からハラスメントを受けたなどと言っている場合ではありません。
精神的に不安定な状況ある対象への対応
一例を挙げると、障害を持っている対象から強い口調で八つ当たり的に言われた時、冷静に「フィンクの危機モデル「防御的退行」の段階にある」ことに気づき、適切な精神的ケアを実施するだけでなく、本人や周囲の人の安全が守られているか考える、となるのが看護師の思考です。
もちろん看護師も人ですから、強い口調で言われれば傷つきますし、ストレスも溜まります。しかし、そのメンタルケアは、ケアの場面ではなくそれ以外の場所で行われるものです。
いらだつ、怒りの反応があるときは原因があり、観察を通して原因を把握する。怒りの反応が出そうだという事を予測し、予防、対応といったことの準備を整えて対象のもとに向かう。
もちろん、これは理想論ではありますが、看護師はそのように努めていくものです。
精神的に負荷のかかるコミュニケーション
このような場面は、講義で教えてあっても、実際にその場面になった時にはあまり役に立ちません。おおよそ、冷静に対処はできないと考えられるからです。
これは、経験がものをいう最たるものだと思います。特に精神的に傷つきやすい人はなおさらです。
しかし、これもコミュニケーションを通しての情報収集の一環です。
このような看護師や学生側に精神的負荷がかかるコミュニケーションは、学内実習やオンライン実習ではなかなか体験させられません。
精神的負荷がかかるコミュニケーションを再現したとしても、結果として学生にストレスがかかるだけでしょう。
臨床の場面であれば、「精神的に不安定な状況」にある対象の思いを受け止め、対象が不安定な状況から脱した時や実習最終日に、対象から学生は感謝のことばを伝えられることが多いです。
「すごく辛かった時にずっとそばにいてくれてありがとう」
「どうにもなってしまえ、と思うほど辛かった。キツくあったってごめんね。そばにいてくれたのがあなたで良かった。ありがとう」
こういった感謝の言葉を聞いた学生の多くはこの時に感極まって泣いてしまいますね。
対象が「精神的に不安定な状況」にあって怒ったりや苛立ったりする、その裏にあるツラい思いに手を差し伸べる必要性やその大切さを、学生はその時実感するのだと思います。
学内実習やオンライン実習でこの再現は無理といっていいでしょう。
臨地実習でこのような体験をした学生は、見違えるほどに看護師として成長したなと感じます。明らかに、実習の前後での学生の姿勢や言動が変化します。
自信がつく学生、勉強不足を実感する学生、看護師として働くことに覚悟が決まる学生、自分のメンタル面の強化に取り組む学生などなど。
看護師・看護学生を育てるのは患者さん
以前から看護師や看護学生を育てるのは、患者さんにどれだけ本気で向き合ったかの経験だと考えていましたが、実際の患者さんがいない実習を実施していると、なお実感します。
それでは、(来年度の)看護師国家試験の合格を祈って!