2年生の感染予防行動
こんにちは、エートスです。
2年生が臨地実習に行けていない
3年生の看護師国家試験が終わって、2年生の臨地実習に注力している学校が多いのではないかと思います。
ただ、今の2年生は一昨年からの新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けていて、臨地実習が従来通りにはいかないことも多い学年と言えます。
呼吸器感染症である以上、飛沫感染、空気感染、接触感染を避ける取り組みが重要で、特に新型コロナウイルスのオミクロン株の感染力の強さはインフルエンザとは比べ物になりませんので、注意が必要です。
※ 現状インフルエンザの流行をほとんど聞かないので、インフルエンザの感染は抑止できていると考えていいでしょう。
そのため、感染予防行動は新型コロナウイルス感染症が流行する以前とは求められるレベルが違ってきます。しかし、臨地実習に行けていない2年生がどれほどの予防行動が身についているか未知数です。
スタンダードプリコーションは簡単には身につかない
スタンダードプリコーションは医療職種にとって、感染予防行動の基本です。
スタンダードプリコーションは技術ですので、頭でわかっているではすみません。
私が働いている看護専門学校では、登校時に玄関に体温測定と擦式手指消毒薬を置いています。
登校時には玄関で体温測定と手指消毒をすることがルールとなっていますが、遠目で見ていると体温測定も手指消毒もスルーして校内に入っていく学生をよく見かけます。
玄関口に立って指導すると一時的には実施するようになりますが、目を離すと元通りになってしまいます。
学生を一人つかまえて、なぜ手指消毒をしなかったのかを訊ねると、「忘れてました」と返事します。
実際そうなのでしょう。学生が故意に実施しなかったと勘ぐる問題でもありません。
看護師の感染予防行動は、「考える」、「意識する」という段階にあるものではありません。
習慣として身に着けておく、他の事を考えていても体が自然と行動する、というレベルに達していないといけません。
もちろん、学生にそのレベルを求めることは難しいです。
しかし、常に意識して、感染予防行動をとるようにしていないといけません。
現状の看護学生は看護師国家試験に合格して臨床の場に出たときに、繰り返し感染予防行動の未熟さを看護師に注意される事になります。
一般の人と医療職種の違いの一つに、感染症の病原体が日常的に身の回りにある(と考える)事が挙げられます。
これだけ、一般の人にも感染予防行動をとりましょう、と喚起されている現状、病院で院内感染が起きた、クラスターが発生したは許されません。
医療職が感染を引き起こす行動は、一瞬の気のゆるみで起きます。
仕事中の医療職種の感染経路(病原体が体内に侵入する入口)は顔か手の傷です。
医療職は体を動かす肉体労働が多いです。
その分仕事中には汗もかきます。眼鏡をしている人は眼鏡がずれることもあるでしょう。
そういった時、無意識に反射的に手が顔に行きます。
この「無意識の行動」を止めないといけないのです。
顔に手を持っていきたいときは先に手指消毒を行う必要があります。
これを習慣づけないといけません。
無意識のレベルに到達するほどの反復練習
何度も繰り返し練習が必要です。常に意識することが大切です。
上記に挙げた学校の玄関口での手指消毒では、実施すればいいというものではありません。
看護教員に学生は、擦式手指消毒薬の1回噴霧量、最初の手順まで見られています。また、乾燥するまで繰り返し刷り込みを行ったかまで、注意されます。
朝は手に荷物があることもあるでしょう。それが邪魔でできない、は理由になりません。
急いでトイレや用事をすませたくて、通り過ぎたいこともあるでしょう。それも理由になりません。
感染症は個人の状況や事情を考慮してくれません。
ですから、逆算して玄関口で手指消毒を行うためにどうしておけばいいか、準備・行動しておく必要があります。
そこまで考える事を医療職になりたい学生に求められています。
新型コロナウイルス感染症が流行する前は、ここまで学生に感染予防行動を求めたことはありません。臨地実習に行ったときに感染予防行動をとることができれば良いと考えていました。
しかし、現在は日常的な感染予防行動を身に着けることの徹底を求められています。
そうである以上、看護学生には看護師になるために日常的な感染予防行動を身に着けてもらうしかありません。
看護学生にとって、今は新型コロナウイルス感染症が流行する大変な時期です。
それでも、この大変な時期に看護師を目指そうとする学生は、素晴らしいと思います。
一方で、それが叶うように厳しくしなくてはいけない面もあります。
頑張ってほしいと思います。
それでは、来年の看護師国家試験の合格を祈って!